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岡山県のヴィンテージ オーディオ専門店 1950-60年代のオーディオ機材 / 修理・レストア / レコード販売

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TANNOY(タンノイ) [Autograph]管球式アンプ レストア

2015/06/01

TANNOY(タンノイ) [Autograph]管球式アンプ レストアです。
TANNOYプリアンプ TYPE HF.C/VA/200(8)

TANNOYパワーアンプ TYPE HF/200AC/12L(6)

1950年代タンノイも自社スピーカーシステムと組み合わせる為の管球式アンプ(プリアンプ・パワーアンプ)を製造していました。TANNOYとQUADが純正みたいに言っている方が多いですが、モニターレッド搭載システム辺りまでは、TANNOY社製アンプが、本来純正の組み合わせなのですよ。

今回のレストア依頼品は・・・
 ・プリアンプ TYPE HF.C/VA/200 (1956~1958年)【初期型】
 ・パワーアンプ TYPE HF/200AC/12L (1958~1959年)

お客様からはオリジナルに準じた仕様で復元(レストア)して下さい。というご依頼!

当店では基本的に故障した個所のみ、また電気的にのみ正常になるような修理、つまり一般修理は基本的に行っていません。当然お客様からのご要望やご予算があれば、そういった一般修理も行いますが、基本的にはレストア(復元)となります。

しかし、レストアは言うほど簡単ではありません。
オリジナルの回路構成、回路定数、ワイアリングを遵守する事は当然です。ただ、交換に要する部品全てがオリジナル部品(デットストック)が入手できる訳でもありませんし、デットストックと言っても交換時点で良品であっても、スグに不良となる部品もあります。その辺りを見極めながら、オリジナル以外の部品を使用する場合は、極力オリジナル部品の特性に近い内容のモノをセレクトして、適材適所で使って行きます。

最近(現行)部品を使えば良いとか、定数が近似値だから使うとか、そういった安易な修理ではオリジナルの復元(レストア)は不可能です。Vintageアンプは、電気的には正常な修理が出来ていても、駄目なんですよ。また、修理代をケチったのか?修理者の能力・経験不足なのか?酷い内容の修理が多いです。例えばWE製のワイアを使った方が、音が良くなるとかで、全てのワイアをWEのケーブルに交換されている英国製アンプを目にしますが、交換されてしまった段階でそのアンプは、復元できない状態になっており、大切な機材がこの世の中から消えてしまいます。こういった修理者の訳の分からないエゴで、わざわざ壊されている機材が最近多いのです。

さて。。。下記の写真をご覧下さい。
TANNOYアンプ交換部品
今回のTANNOYのアンプで交換した部品です。
殆どは経年劣化による部品の不良ですが、このプリアンプは改造されていました。改造のされ方から考えて、たぶんファクトリーカスタマイズだろうと思いますが、プリアンプの最終段にEF86でカソードフォロア回路が組まれていました。本来このプリアンプはECC83×2本構成なのです。たぶん、当時のオーナーがプリ⇒パワー間を離して設置したかった?のではないでしょうか。。。ただ、TANNOYのプリアンプは小電流型の回路構成です。ここに1つ回路を追加する事は、電源回路の大幅な定数変更必要になるのですが、このプリアンプでは電源の供給方法を変更せず安易に電源を取られていました。結果、ノイズレベルが当時のHiFi系のアンプでは考えない値(7~8mV)出ていましたので、ここはお客様に確認しオリジナル構成に戻しました。

その他、劣化したCR部品は1点1点測定し、適材適所で置き換えています。プリアンプのデカップリング用の電解コンデンサー等は、複数個使用しオリジナルの定数になるようにしています。あり合わせの部品を使った訳ではないのですよ。電解コンデンサーは基本的に消耗部品なので、ケースバイケースで現行の一般部品を使います。カップリングコンデンサーは、直接信号が通過する部品なので、気を使います。修理費用に制限がなければ、軍規格のハーメチックシールタイプを使用します。当時のカップリングコンデンサーは、信号の通過特性が現行のフィルムコンデンサー程良好ではありませんので、ここに特性の良すぎるコンデンサーを使用すると設計時点の予測外の事が起こったり、音質が大きく変化してしまいます。ただ、一般規格のデットストック品等を使うと、交換時には正常な部品であっても、スグに不良になる事が多いのです。この辺りの耐久性は、さすが軍規格です。

抵抗器はカーボン抵抗ならカーボンを使います。特に当時の英国製アンプは、米国製アンプに比較し電力容量が1クラス低い抵抗を使っており、熱の影響で抵抗値が増大しているモノが多いのです。また、交換時に金属皮膜抵抗を使いたがる修理者がいますが、当時の英国製アンプはハイ・インピダーンス設計のアンプが多いので、金属皮膜抵抗を入れてしまうと、誘導ノイズ等いろいろ悪影響が出ます。あと、英国系のアンプの可変抵抗器(VR)にガリが発生したからといって、接点復活剤をスプレーする方って多いと思いますが、接点復活剤を入れるとその可変抵抗器は死にますのでご注意ください。ウェハに接点復活剤が染みて僅かでも導通が出来ます。ハイ・インピーダンス回路ではその抵抗値さえも影響がでますので、そのVRは使えなくなるのです。

また、TANNOYのプリアンプは、フォノイコライザー回路が各社イコライジングに対応しているマルチタイプなので、大量のコンデンサーを交換します。この交換を行わなければ、正常なイコライザーカーブ特性が出ません。

最後に、真空管の選別です。今回はお客様からの指定でムラード製・GEC製当時のオリジナルで全て揃えました。元々付いていた真空管で不良なのモノは交換。出力管のKT66は特性が若干落ちておりこのアンプには使えないという判断と、アンバランスが30mAもあったので2本交換してバランスさせました。前段管はノイズレベルを確認しながら、セレクトしました。

接続ケーブルもケーブルとコネクター部の断線や半田不良がありましたので、その他細かな所と合わせて手直しを行います。

これでレストアは完了です。

ご使用時の注意点としては・・・
・パワーアンプのカバーは外してご使用ください。外した方が通気が良くなりパワー管(KT66)に優しくなります。
・電源電圧200Vで調整していますので、必ず200Vで使用すること。また、現時点で真空管のセレクトは行っているので、興味本位で真空管を差し替えな事、真空管の順番を変更しないことくらいでしょうか。。。
今後は2~3年に一度、真空管と電解コンデンサーの定期チェックを行っていけば長らく安定して使えることでしょう!

レストア後の試聴ですが・・・
特に1950年代の英国製HiFi系アンプの能力(帯域特性・歪み特性・S/N特性)は非常に優れています。高級機になればなる程その傾向が強いのです。だから、かなりクリアーでシャープな音質になります。レストア直後は、音が硬すぎるという印象を持つ人も多いのです。ただ、それで正常なのです。レストア直後にも関わらず、まったりしたボケ気味の音質だった場合は、それは完全な修理が行われていない可能性もあります。各メーカーの音作りやシリーズ(グレード)により、若干の傾向の違いはありますが、概ねそんな感じになります。現在において、部品が劣化した状態のアンプの音を基準に考えたら駄目なのです。部品が劣化し特性が出ていないのですから、ボケボケの音質になって当然なのです。

今回のTANNOYのアンプも当時の英国系高級HiFiらしいサウンドです。派手な色付けない、極めて端正なサウンドです。

英国系の高級HiFi機材(アンプやスピーカー)って、高級機になればなる程色付けの少ないクリアーで端正なサウンドになっていきます。水を飲んでいるような感覚です。だから、コメントに苦労するんですよね。悪く言えば特徴的な音質ではないのです。HiFi(高忠実度)ですから・・・ね。機材に色が付いていては、ソースに対して高忠実度再生になりませんからね。

オーディオの音質の骨格はスピーカーとアンプによってほぼ決定されますが、これも高級機なればなる程、それぞれの相性を求めてきます。TANNOYのアンプは、TANNOYのスピーカーによくマッチします。どこがどうとかという話ではなく、ほんとスムーズに音が出てきます。バランスもいいのです。当然といえば当然ですね!これがTANNOYの考えていた音質なんですから・・・

今ここに試聴用として12インチシルバーが搭載された「Landsdown」があり、それで試聴していますが・・・LEAK TL-12Plusでは若干音の線が細くなり上ずった感じになるのですが、TANNOYのアンプではそれが全くありません。重心が下がり音に厚みが増した感じです。バランスが良くなりました。しかも、クリアーなサウンドで、J-pop等Vintage機材では苦手とされるソースも見事に朗々と鳴らしてくれます。てか、J-popが鳴らないVintage機材はどこか故障していますよ。

大切に使ってくださいね。

この記事はTANNOYアンプのレストア記事ですが、記事を読んで頂いて、TANNOY純正サウンドに興味をお持ちの方は、決して安い機材ではありませんが、販売できるアンプも多少ありますので、お気軽にお問い合わせください。

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